交通事故の被害者の気持ち

交通事故に力を入れてます

このホームページの「主な取扱業務」のページに、私が交通事故に力を入れている理由を書いていますが、東京簡易裁判所の非常勤裁判官(民事調停官)や保険オンブズマンで、いろいろな交通事故案件を扱ったというのが一番の理由です。しかし、もう少し個人的な理由もあるのです。実は、私も交通事故にあったことがあるのです。

自転車に乗っていて

20年くらい前の話ですが、池袋駅の近くの大きな五差路の横断歩道を自転車で直進していたところ、私の右斜め後方から来た車が、五差路を左折してきたのです。横断歩道の真ん中ではねられて、私は自転車ごと倒れました。ところが、私をはねた車は、そのまま行ってしまいました。いわゆる「ひき逃げ」ですね。倒れたまま茫然としていましたら、その車が、次の信号で赤信号につかまって停まっているのが見えました。私は、足から血が出ていたのに気が付きましたが、すくっと起き上がり、自転車に乗って、その車に追いつきました。助手席の窓ガラスをとんとんと叩いて、「あなた、私をはねたでしょ。」と叫びましたら、運転していた若い男性が、「でも、あんた、追いかけてきたっていうことは、大丈夫だったんでしょ。」と言って、信号が青信号に変わったとたん、発車させて行ってしまいました(涙)。

交通事故の被害者の気持ち

警察に報告をして、病院に行って、診察を待っている間、怒りもあったのですが、それよりも、自分の存在がちっぽけに思えて、非常に悲しかったことを覚えています。自分の大切な体が、他人から、どうでもいい扱いをされたということがショックだったのですね。

加害者は見つかりましたが

私が車のナンバーを覚えていたことから、数時間後には、警察から、「加害者が見つかりました。すぐに、御自宅に謝罪に行くそうです。」と連絡がありました。加害者は、社用車に乗っていたということで、会社の上司と一緒に自宅まで謝罪に来ました。その後、ひき逃げ事犯ということで、刑事処分も受けて、事件は終わりました。

しかし、その後しばらくは、治療を受けた病院の前を通るたびに、事故直後の悲しい気持ちを思い出していましたね。